2019.03.08 12:22ファロー四徴症(TOF)先天性の心奇形の一つで肺動脈狭窄・心室中隔欠損・右心室肥大・大動脈騎乗の4つを合併している疾患です。肺動脈の狭窄のため、肺に送られる二酸化炭素濃度の高い血液の一部が、心室の欠損孔を通って全身に送られる動脈血に混じるので、チアノーゼを起こします。ハルヒの場合肺動脈の狭窄が少ないので、心室中隔欠損単独の場合と同じで、全身に行く動脈血の一部が、心室孔を通って肺動脈に流れるので、肺に行く血液の量が多くなり、肺と心臓に負担がかかっていました。チアノーゼは泣いたとき、無呼吸発作の時に起こっていました。ハルヒも肺動脈の狭窄が進めば手術を受けることになっていました。1歳ごろがタイミングかなと言われていたところでした。たいていファローの子は、姑息術(肺血流増加のための血...
2019.03.08 12:11低血糖って?正常では、血糖値は70mg/㎗以上に維持されています。空腹になると、血液中の血糖値が下がってきます。普通空腹時の血糖は70mg/㎗ですが、ハルヒの場合は30mg/㎗以下がほとんどでした。ハルヒは最悪4mg/㎗の時があり、先生も普通に入れるのは奇跡!と言われました。低血糖症状として、70mg/㎗以下で空腹感、50mg/㎗を切ると、倦怠感や中枢神経の低下、30mg/㎗以下では昏睡状態になります。低血糖症状にはいろいろなホルモンの分泌が関係していますが、ハルヒは脳下垂体がないので、ホルモンの分泌ができないため、薬や自己注射で補っていました。
2019.03.08 12:02気管切開って?喉ぼとけの下に穴をあけて気管を切開し、気管にカニューレというものを挿管します。通常の鼻呼吸はなくなり、気切部分より呼吸をします。気切部分は声帯よりも下になるので、声を出すことはできません。(ハルヒの場合は泣いたりすると、空気が漏れてかすれた声のようなものが出ていました。)気管切開のケアについて1吸引…カニューレが刺激になって痰の分泌が増えます。痰が詰まると呼吸ができなくなるため、電動式の吸引機を使って、細いチューブを気切部に入れて吸い取ります。2消毒…カニューレと喉に挟んであるガーゼを取り、消毒液をつけた綿棒で気切部の周りを消毒し、新しいガーゼに交換します。3交換…2週間に1度病院で先生に交換してもらっていました。
2019.03.08 11:55胃瘻って?胃瘻とは、ハルヒのように口からミルクや食事を摂取することができなかったり、誤嚥性肺炎を起こしやすい場合、直接胃に栄養を入れる方法です。ハルヒのおなかにはバルーン式のチューブが入っていました。心臓の手術を受けることを考慮して、少し下目に瘻孔を作っていました。生まれたときには鼻からチューブを胃まで入れてミルクを注入していましたが、鼻の穴が狭く、挿入が困難だったので、胃瘻を作りました。おかげでテープだらけだった顔はすっきりしました。胃のチューブに経管栄養用のチューブをつないでミルクや薬、果汁などを注入していました。
2019.03.02 09:15羊水検査羊水検査(ようすいけんさ)とは出生前診断の一種で、妊娠子宮に長い注射針に似た針を刺して羊水を吸引すること(羊水穿刺)によって得られた羊水中の物質や羊水中の胎児細胞をもとに、染色体や遺伝子異常の有無を調べます。一般的には妊娠16週以降の時期に実施されるものですが、ハルヒの場合はもう時期が過ぎてしまっていたため妊娠8か月に実施しました。羊水検査で診断できるのは染色体や遺伝子など特定の異常に限られており、全ての異常が発見できる訳ではないそうです。ハルヒの場合羊水検査によって47XY+Mar(22番染色体くらいの長さの一本過剰)と診断されました。ハルヒの妊娠中はまだ出生前診断はそれほど実施されていなかったのだと思います。ヒナタとリョウヒを妊娠した際、私は迷わず...
2019.03.02 08:49エマヌエル症候群エマヌエル症候群とは、染色体異常をもとにする先天性疾患のひとつを指しますが、精神発達遅滞や全身各種臓器に渡る症状を呈します。精神発達遅滞は必発であり、運動面の遅れも遅れます。先天性心疾患、腎臓奇形、口蓋裂、外性器の異常など奇形が多発します。エマヌエル症候群は、11番染色体と22番染色体の各部位が正常よりも多く存在することが原因で発症します。 エマヌエル症候群は、日本においては難病指定を受けている疾患の一つですあり、実態調査を通して数十名の患者さんが把握されています。根本的な治療は確立されておらず、症状に合わせた支持療法が中心になります。エマニエル症候群の症状は全身各種臓器に渡るため、包括的な医療が求められます。 エマニエル症候群が報告されてからの歴史は...